いろいろありましたと簡単に言えないですが、コイル塞栓術で終わると思っていた手術がさらに開頭手術までしてしまった私。
しかも肝心の動脈瘤は未処置となります。
そんなことなら最初から開頭手術でクリッピング術でよかったんじゃないかって誰もそう思うかもしれません。
それは結果論なのですが。
まずカテーテルの傷口の止血のための圧迫痛。
実はこの痛みが一番あとを引きました。
私はかなりのおデブさんです。
そのため太ももの直径もかなりあるため、病棟担当医先生の後日談で、両手で太ももを挟むように圧迫するのがかなり大変だったとのこと。
太ももが太すぎて力が入れにくかったのでしょう。
デブにはこういうことがあるという前情報がなかったので、手術する前に痩せとくもんだったと思っても後の祭りです。
とは言っても、早々に痩せはできませんが。
この圧迫痛がとにかく身体を動かす時が一番しんどく、座るのも一苦労。
そして一番気になったのは、開頭手術の傷跡。
実はこの数年前まで開頭手術の前にばっさりと剃毛があったそうですが、ここ近年で開頭する箇所のみの剃毛に変わったということで髪の毛がないところは限られた傷口のみでした。
手術後は頓服薬を服用していたので、我慢出来ないほどの頭痛や傷口の痛みはありませんでした。
傷口もズキズキ、チクチクとした痛みが時々する程度でした。
気になるのは傷口。
恐る恐る手を伸ばし、ところどころボコボコ、剃毛したところから生えている髪の毛のチクチクした触感がします。
最初は傷口を見る勇気もなく、気にしないようにしていました。
病棟担当医の先生から、「傷口の縫合はとても上手な先生にやってもらっているから、傷痕も目立たずきれいになりますよ」と言われて、とても安心した記憶があります。
それを聞いて安心したからか、傷口を見る勇気が出ました。
初めて傷口を見た時はショックでした。
生々しいので、写真に残す気持ちにもなれませんでした。
担当医の先生から言われたのは、「開頭手術をしたことで痛くて口が開きにくいかもしれませんが、そのうちだんだんその痛みもなくなります」と。
本当にその通りで、口を開けることが痛くてできず。
一生大きな口を開けることができなくなるんじゃないかと心配しましたが、徐々に痛みもなくなり、大きな口を開けることができるようになりました。
それでも1,2ヶ月は痛かった記憶があります。
また術後から、時々視界にキラキラ流れ星のようなものが飛びます。
手術の後遺症ではと心配になり、先生に相談すると貧血だからと言われました。
「入院中は無理でも、退院したら散歩などして酸素をいっぱい吸うようになると改善されます」
との言葉通り、退院してからはそういう状況になることは一度もありませんでした。
そして入院中、一番つらかったのは、術後すぐからの排尿の計測です。
しばらくは尿道に管を入れ、袋にたまった尿を時々交換に来られますが、看護師さんも夜になると人数が少ないのか、ベルを鳴らしてもなかなか交換してもらえず。
こちらとしてはいつ袋から溢れるんじゃないかと気が気じゃなかった記憶があります。
尿道の管が外れても排尿の計測は続き、トイレに行くたびに看護師さんを呼ばなくてはなりません。
看護師さんを呼んでもなかなか来てもらえず、尿を入れる空容器がなくてトイレを我慢することも。
点滴をずっとしているので、どんどん尿として排出しなければならないので、トイレが一番困りました。
排尿の計測が終わった時は、本当にホッとしました。
洗髪のOKが出たのは術後1週間後くらいだったと思います。
洗髪はケアをしてくださる方にお願いしてやっていただくことになりました。
お任せするので不安はありませんでしたが、次回から自分でやらなければならず、そこが怖くて仕方ありませんでした。
そして退院の数日前に抜糸がありました。
パチン、パチン。針を刺すようなチクチクとした痛みがしました。
退院に向け一歩前進することに喜びを感じ、抜糸された開放感の中、それでも思うのは痛々しい傷口がどう変化しどんなふうに傷跡として残るのか…鏡をみるたび不安が募りました。